ボランティア劇団・劇団さくら団地座長の佐々木政子(さくら花)さん

ボランティア劇団・劇団さくら団地

座長の佐々木政子(さくら花)さん

さくら団地ってどこにあるの?

「さくら団地は、桜の美しい津山にあって、若い人も、高齢者も男性女性、元気な人もいれば、病気になった人もいる、さまざまな障害がある人もいるどこにでもある所ですよ」って答えるんだそう。
そんな人々が楽しく愉快に、苦しい事や悩み事、困りごとがあっても共に仲良く暮らしていける、そんな日常を演じるのが劇団さくら団地。
座長の佐々木政子さんは作州絣姿の認知症がかったおばあちゃん(さくら花)役で「のんびり行こうよ、大切なものを見失わないように」をコンセプトに、楽しみながら劇団を支える。
公演を通してみんなが笑顔になってくれるのが劇団員の生きがいにもなる。
平成14年、結成当初は車イスを使用する障がい者の方が劇団に数人いたそうだ。
あるボランティアの集いで車イスに乗った障がい者の人と一緒になった佐々木さんは、話をするうちに「劇をしてみたい」という話を聞いた。
障害がある事で多くの人たちの前で演じるなんて絶対無理だろう、自宅から外に出るのも1人では無理、障がい者は家で大人しくしとりゃあいいんじゃ、というのが通常の考え方で「劇をする」なんて夢のまた夢。期待もしていないというご時世。
そこで佐々木さんは一つの大きな気づきをした。

障がい者って、ボランティアって

「ボランティアってなんだろう」という劇で障がい者の人と共に演じた佐々木さん。
障害を持っていても、健常な私と何も変わらない。不自由なところを補えばなんだってできるんだ、本人はできない、できないと思っていたけれど、互いにできることが分かり合えた。
そして楽しそうに練習に参加してくれることに喜びや尊敬の念を抱くようになり「ちょっとお手伝いをすればできることがたくさんあるということがわかり支える側としてうれしかった」と当時を振り返った。
団員の皆さん

それから約20年経つがコンセプトの芯は揺るがない。

今、さくら団地の団員は20人。障害を持った人は約半数だが、なんといってもこの劇団は団員の仲が良い、公演で毎回緊張してセリフが飛んでしまう人もいるが、アドリブなどで切り返し台本になかったシーンが飛び出すこともしばしば、でも決して誰かを責めたり反省したりすることはない。
本番当日突然の欠席も、劇団内でなんとかする。音響をぶっつけ本番で担当して肝心な時に効果音が抜けたりの失敗も笑って許せる団員。
目が不自由、体が不自由な団員には言葉かけや手を差し伸べることも当たり前だし、障害がある人が中心となって絵を描いたり、マイクやスピーカーの設置をする。もちろん劇中でも重要な役を真面目にこなす障がい者も多い。
佐々木さんが出会い、印象に残った方は、と聞くと。
ガンが全身に転移していたが練習をとても楽しそうにしてくれていて、絵巻物に使う小道具を作ってくれたりしたが「劇があるから痛さや苦しさがあっても頑張れたんじゃないかと感じました、とても頑張り屋さんでした」。と懐かしそうに話した。
真庭市月田に公演に行った時には、マイクロバスの車イス用昇降機が故障して車椅子をバスに乗せることができず現地から帰れなくなったことも「その時も誰も不平不満を言わず一人だけ帰ると言う事もなく、修理の人が来るまで長時間みんなで待ったのも、今では楽しい思い出です」。
さくら団地は急なことがあっても団員の仲がいいのでどんなことにも対応できる。と胸を張る。
ミーティング風景

今さくら団地の活動は?

長く続いたコロナ禍は、人が集まる時間と場所を制限した。
その影響は劇団にもあり、津山市の愛育委員の関係や、津山市社会福祉協議会の集まりで公演が多かったさくら団地 は2年間公演することなく過ごした、集まって練習する事もままならなかった。
「劇団員も私もとても寂しかったです」
そんなさくら団地だが、先月の初めに少人数の集まりだが公演をすることができた。また、その公演にはゲスト出演者もあり、みなさんに喜んでいただけたと言う。
「公演はとても楽しくて、演じる者が一方的ではなく、見に来てくれた人を巻き込む事で、一層楽しくなる、また巻き込まれた方もノリノリで演じてくださるので一体感が増してきます」
今回のゲスト出演は、その観客の一人で、佐々木さん演じる主役の(さくら花)さんの大ファンで、劇に出たいと希望して、台本の読み合わせから、立ち稽古、最終の稽古まで熱心に参加して、観客の前で見事に演じきった。
「コロナ禍が早く落ち着いて、公演をしたいです。飛び入り参加や、劇団に入りたい人も随時お声がけください」と今後の意欲も見せた。
食事会風景

さくら団地の今後。

近年多い、蜂の巣除去や着物などの下取りという、いわゆるオレオレ詐欺と言われる高齢者を狙った詐欺。地震などの対応を考える防災。手洗い励行など、地域や社会のやさしさを伝える劇を中心としており、他にもモチモチの木やごんぎつねなどなじみの深い絵巻物などもレパートリーだ。
「一緒にやってみて、私たちが学ぶことが多い、一緒にできた喜びは双方にあり、みんなが幸せ感を持てると思っています」。と佐々木さん。
さくら団地で演じてみたい人、裏方で支えたい人を随時受け付けている。また公演依頼も受けているので、気軽にさくら団地が所属する、津山市社会福祉協議会に問い合わせてみてほしい。
挨拶風景

取材を終えて

佐々木政子さんは本当にすごい人だ。
ボランティア劇団の活動のほかに様々なボランティア活動も地道にされている。
自分で判断することができにくくなっている高齢者、動くことが困難な障害を持った方、ゴミ出しなどほんの少しの手助けで地域での暮らしが普通にできる方、小さな子、支援の手が届かない方たちにも手を差し伸べる。
ご自分を前面に出すことはされず、その活動はいつも陰からだ。
お話をされる姿や声の調子なども包み込まれるような優しさを持った方だと確信した。
困っている人を見かけても、手を差し伸べるタイミングがわからない事もあるし自分自身のことで今は手いっぱいの人もいる。
改めて「ボランティアってなんだろう」と自分に問いかけてみる。人の評価や目立つこと、自己アピールでは決してない。
常に相手の立場に立って「こうしてもらうとうれしいだろうな」と言うことを実践することかな。。。
私にはなかなか正解は出ない。。とても深いものだと思う。でも「ありがとう」ってほほ笑んでもらうとうれしい、仮に「ありがとう」って言ってもらえなくても、相手がうれしく楽しければ、その方から幸せ感を分けてもらってるんじゃないかなって思う。
同じ津山市に佐々木さんのような無償のよろこびをくださる方がいるとは、「津山市捨てたものじゃないよ。津山市の未来はきっと優しさに包まれるよ」と大きな声で言えるような気がしている。
さあ
2023年ももうすぐ。きっといい年になる。
佐々木さんのような優しい人が増えていくいい年になるよう願っている。
佐々木さんの心からのボランティア活動に感謝しながら新しい年を迎えることができそうだ。
みなさまも良いお年をお迎えください。
(ライター・武本真寿子)
著作制作
この記事を書いた人
株式会社オフィス福原 代表取締役福原広
株式会社オフィス福原

株式会社オフィス福原の代表取締役。一般社団法人やまとカルチャーカレッジ代表理事。大手情報誌の会社で14年求人情報誌・住宅情報誌・ブライダル情報誌・釣り情報誌などを担当。営業戦略・制作システム・配送システム・出版取次の業務を担当。クライアントの採用計画・販売促進の提案・実施に携わる中でマーケティング手法を学ぶ。独立後は多くの失敗を重ねる中で、WEBマーケティングと企業の集客イベントノウハウを取得。また首都圏でのイベント運営を担当。クライアントの集客とプランニングの提案とイベント運営を主たる業務としている。コンセプトとして、「持続可能な未来へ向けた循環型イベント」を提案している。企業価値を高めるための施策(環境保護・メディア戦略・広報・運営プラン)を提案する。2025年より、やまとカルチャーカレッジを設立、神奈川県大和市を起点とした文化発信拠点を創設し、著名人講演会などを企画運営。

美作人